I/Oポートと貫通電流について

FAQ 107332 : 未使用端子の処理方法とその理由は?

https://ja.na4.teamsupport.com/knowledgeBase/17794652

の(1)処理例1において、「端子に中間電位がかかると、貫通電流が流れます」とあります。(回路は下図)

この点に以下の疑問を抱き、下に記載する2通りの解釈を考えました。この解釈の正誤について、ご意見を頂ければと思います。

疑問:端子部分に中間電位がかかっても、図のトランジスタはONにならず、貫通電流は流れないのではないか。

解釈①:端子とは一番右側の◯ではなく、トランジスタのゲートを指している。

解釈②:貫通電流が流れるのは図のトランジスタ部分ではなく、図に描かれていないトランジスタ部分である。

Parents
  • チョコです。

    基本的に、貫通電流は入力がフローティング状態になっている場合に発生します。

    つまり、図では、一番下のインバータの部分で発生する可能性があります。

    下に「FAQ(よくあるお問い合わせ)」R00ZZ0001JJ0400の15ページにある図を示します。

    この下側の図が入力端子で、そこがハイインピーダンスで中間電位になっていると、貫通電流が入力バッファで発生することを示しています。貫通電流は、上側と下側のトランジスタが同時にON(完全なONではなく少しONしかけた状態)しているときに電源とグランドの間に流れる電流です。873ページには、以下のように説明されています。

    入力のトランジスタは小さいので、流れる貫通電流は小さいのですが、ハイインピーダンスが内部に伝搬して、入力以外でも貫通電流が流れることもあります。

    通常のスイッチングでも貫通電流が流れる領域を通過しますが、非常に短い時間なので、無視することができます。

    以上

Reply
  • チョコです。

    基本的に、貫通電流は入力がフローティング状態になっている場合に発生します。

    つまり、図では、一番下のインバータの部分で発生する可能性があります。

    下に「FAQ(よくあるお問い合わせ)」R00ZZ0001JJ0400の15ページにある図を示します。

    この下側の図が入力端子で、そこがハイインピーダンスで中間電位になっていると、貫通電流が入力バッファで発生することを示しています。貫通電流は、上側と下側のトランジスタが同時にON(完全なONではなく少しONしかけた状態)しているときに電源とグランドの間に流れる電流です。873ページには、以下のように説明されています。

    入力のトランジスタは小さいので、流れる貫通電流は小さいのですが、ハイインピーダンスが内部に伝搬して、入力以外でも貫通電流が流れることもあります。

    通常のスイッチングでも貫通電流が流れる領域を通過しますが、非常に短い時間なので、無視することができます。

    以上

Children
  • チョコです。

    mossさん、ご理解いただけたでしょうか?

    貫通電流は入力ポートで発生するのですが、実は出力ポートでも例外があります。それは、オープンドレイン出力端子です。それは、オープンドレイン出力端子でLEDをドライブしているときです。オープンドレイン出力端子がLEDをドライブしている(発光させている)ときは通常の出力状態ですが、問題はLEDをドライブしていないときです。LEDには、発光していないときに光が当たると発電するものがあります。その場合には、発電した電圧と電源電圧との関係で端子が中間レベルになる場合があります。通常、オープンドレイン出力端子にも、mossさんが示された図にもあるような入力ポートとしての機能もあり、その入力ポートで貫通電流が流れる可能性があります。

    実際に、RL78/G1xのP6xポートで問題が発生したためか、RL78/G2xではポートを制御するレジスタととして「入力禁止」を「ポート・デジタル・インプット・ディスエーブル・レジスタ(PDIDISx)」が追加されているのではないかと思われます。

    以上

  • チョコさん

    ご回答ありがとうございます、よく分かりました。

    インバータ内部のトランジスタで発生するということですね。

    補足の説明も大変勉強になりました。