内蔵クロックのジッターはどのくらい?

初めての投稿です。
G12内蔵の24MHzで4MBPSのUART通信を行っております。
オシロスコープで1BITを測定するとジッターが2NSECでした。
1BITが250NSECのためマージンが心配です。
ジッターの定格が記載されている資料が見つからなかったので投稿させていただきました。
よろしくお願いします。

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Parents
  • tanakarさん

    RL78/G13でですけども、クロック出力をスペアナで見てみました。
    統計的にジッターは±0.15%くらいですかね。

    左の図を見ていただくと分かるように
    高速オンチップオシレーターのクロック分布は広い範囲に広がっていますので天文学的に低い確率ですが±1%を超えるジッターが出る可能性は否定できません。
    ちなみに、エクセルで計算できなくなるのは誤差±0.15%あたりです。

    真ん中の図は温度係数を見るために急冷剤を吹きかけて約-40℃で測定してみました。
    (23.979MHz-24.056MHz)/(27℃-(-40℃))=-1.15KHz/℃となり寒くなると周波数が高くなることが分かります。
    また、温度偏差(-40℃~27℃)の0.32%に比べるとジッタの0.15%は大したことありません。

    ちなみに、セラロック(右の図)と比べると
    標準偏差ρ=0.13KHzなので、高速オンチップオシレーター(ρ=3.9KHz)は30倍もジッターが大きいことになります。
    HOCOは振動子のような物理的な共振を使っているのではないので精度が二桁くらい悪いようですね。

    ●誤差と確率の計算
    周波数(ジッター)がある範囲(信頼区間)に収まる確率は確率密度関数を使うと計算できて、確率は周波数範囲(幅)に対して指数関数的に収束していきます。
    ±1σ=±3.9KHz(誤差±0.02%)に収まる確率は68.27%
    ±2σ=±7.9KHz(誤差±0.03%)は95.45%
    ±3σ=±11.8KHz(誤差±0.05%)は99.73%
    ±4σ=±15.7KHz(誤差±0.07%)は99.994%
    ±5σ=±19.6KHz(誤差±0.08%)は99.99994%
    ±6σ=±23.6KHz(誤差±0.10%)は99.9999998% (21seconds@24MHz)
    ±7σ=±27.3KHz(誤差±0.11%)は99.9999999997% (4.5hours@24MHz)
    ±8σ=±31.2KHz(誤差±0.13%)は99.9999999999999% (1year@24MHz)
    ±9σ=±35.1KHz(誤差±0.15%)は、ほぼ100% (1900years@24MHz)
    ±61.5σ=±239.8KHz(誤差±1%)は、限りなく100%

    UARTのように分周されたクロックは、サンプル数nが多くなるので確率的(1/√n)に収束します。
    なので、ジッターが0.15%のクロックを使って4Mbps(6分周)の場合は、UARTクロックとしてのジッターは0.06%、
    115200bps(208分周)の場合は、(1/√208)に収束するので、0.01%になります。

    ★測定条件
    QB-R5F100LE-TBボードVDD=3.3V、PCLBUZ0にシステムクロックを出力して、ハイインピーダンスプローブ経由でスペアナに入力


    PS
    チョコさんのご指摘の通り実はスタートビット検出誤差の方が周波数ジッターよりも、よっぽど大きかったですね。
    でも、こんな低分周のUARTができるのはRL78くらいなもんなんですけどねー。

    3PGKA9r41Ne0O5Ut-1_A0191.gif

    AagbR8NjfBSp91Ta-0_A0190.gif

    hUltZxnSytDYCfMh-2_A0192.gif

Reply
  • tanakarさん

    RL78/G13でですけども、クロック出力をスペアナで見てみました。
    統計的にジッターは±0.15%くらいですかね。

    左の図を見ていただくと分かるように
    高速オンチップオシレーターのクロック分布は広い範囲に広がっていますので天文学的に低い確率ですが±1%を超えるジッターが出る可能性は否定できません。
    ちなみに、エクセルで計算できなくなるのは誤差±0.15%あたりです。

    真ん中の図は温度係数を見るために急冷剤を吹きかけて約-40℃で測定してみました。
    (23.979MHz-24.056MHz)/(27℃-(-40℃))=-1.15KHz/℃となり寒くなると周波数が高くなることが分かります。
    また、温度偏差(-40℃~27℃)の0.32%に比べるとジッタの0.15%は大したことありません。

    ちなみに、セラロック(右の図)と比べると
    標準偏差ρ=0.13KHzなので、高速オンチップオシレーター(ρ=3.9KHz)は30倍もジッターが大きいことになります。
    HOCOは振動子のような物理的な共振を使っているのではないので精度が二桁くらい悪いようですね。

    ●誤差と確率の計算
    周波数(ジッター)がある範囲(信頼区間)に収まる確率は確率密度関数を使うと計算できて、確率は周波数範囲(幅)に対して指数関数的に収束していきます。
    ±1σ=±3.9KHz(誤差±0.02%)に収まる確率は68.27%
    ±2σ=±7.9KHz(誤差±0.03%)は95.45%
    ±3σ=±11.8KHz(誤差±0.05%)は99.73%
    ±4σ=±15.7KHz(誤差±0.07%)は99.994%
    ±5σ=±19.6KHz(誤差±0.08%)は99.99994%
    ±6σ=±23.6KHz(誤差±0.10%)は99.9999998% (21seconds@24MHz)
    ±7σ=±27.3KHz(誤差±0.11%)は99.9999999997% (4.5hours@24MHz)
    ±8σ=±31.2KHz(誤差±0.13%)は99.9999999999999% (1year@24MHz)
    ±9σ=±35.1KHz(誤差±0.15%)は、ほぼ100% (1900years@24MHz)
    ±61.5σ=±239.8KHz(誤差±1%)は、限りなく100%

    UARTのように分周されたクロックは、サンプル数nが多くなるので確率的(1/√n)に収束します。
    なので、ジッターが0.15%のクロックを使って4Mbps(6分周)の場合は、UARTクロックとしてのジッターは0.06%、
    115200bps(208分周)の場合は、(1/√208)に収束するので、0.01%になります。

    ★測定条件
    QB-R5F100LE-TBボードVDD=3.3V、PCLBUZ0にシステムクロックを出力して、ハイインピーダンスプローブ経由でスペアナに入力


    PS
    チョコさんのご指摘の通り実はスタートビット検出誤差の方が周波数ジッターよりも、よっぽど大きかったですね。
    でも、こんな低分周のUARTができるのはRL78くらいなもんなんですけどねー。

    3PGKA9r41Ne0O5Ut-1_A0191.gif

    AagbR8NjfBSp91Ta-0_A0190.gif

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