スマートアナログのLPFとHPFを使ってみました

スマートアナログを使って、スイッチトキャパシタ型ローパス・フィルターとハイパス・フィルターの動作実験をしました。

設定は
・QB-R5F10FME-TBボード(RL78/G1E\,SAIC500/RAA730500)
・VDD=AVDDn=3.37V、AVDD=LDO_OUT=3.27V
・RL78はHOCO=8MHz(誤差-0.2%)
・HPFのFc=800Hz 、CLK_HPF=200KHz(TO07出力)
・LPFのFc=4.5KHz 、CLK_LPF=1MHz(TO04出力)
・SC_INにパルジェネから10~1MHzのSIN波を印加
・LPF_OUTまたはHPF_OUTをスペアナで観測


測定の結果、設定どおりのFcになっていました。

ちなみに、
HPFで10Hzあたりに盛り上がっているのはCMOS特有の1/fノイズで、1MHz付近が下がっているのはループゲイン起因
LPFで500KHzにピークがあるのはLPFの内部動作クロック(1MHz/2)起因のノイズですね。

cdZV8Sov9XCGlubg-1_A0272.gif

vmfhI5XAVuzyR2FT_A0273.gif

vOl0Jhm5tBMvIfkU-0_A0271.gif

  • HPFの設定にした場合CLK_HPFの1/2の周波数で折り返しノイズがでるようです。

    CLK_HPF=200KHz(HPFの内部クロックは100KHz)の場合、
    例えばSC_INに98KHzを入れると
    約2KHz(100KHz-98KHz)のノイズがHPF_OUTから出力されてきました。

    右の画像が、98KHzに2KHzが混調した波形です。
    左の画像はスペアナで見たスペクトラムです。98KHzの他、1.8KHzにもピークが現れています。


    この折り返しノイズは結構インパクトがありますね。
    Fcを決める時に考慮する必要がありそうです。

    90E370MK1Js33sEw-1_A0275.gif

    BbVHGpkgzVry52Gq_A0274.gif

  • バンドパス・フィルターを作る時
    LPFとHPFをカスケード接続できるようなので、
    LPF -> HPF の接続と
    HPF -> LPF の接続で、どうなるか見てました。

    結果はどっちも似たような周波数特性になりました。

    でも、先ほどのHPFで折り返しノイズが発生する件があるので、
    先にLPFで「HPFの内部クロック」付近の信号を減衰させたいので
    実用的にはLPF -> HPFの順番で接続した方が良いと思います。

    gTpPnj068XnPdu6U-0_A0276.gif

    rEqyHaFT1tG4ZguO-1_A0277.gif