電源パスコンの容量についてアドバイス願います。データシートには以下のように記載されています。
「VCC:電源端子。システムの電源に接続してください。この端子は0.1 μFのコンデンサを介してVSS 端子に接続してください。」
今や、1μFや10μFの積層セラミックコンデンサが安価に入手できるので、このような大容量のパスコンを接続したくなるのですが、大容量過ぎると逆に何か悪影響はあるのでしょうか?
(電源の安定化に対しては、大き過ぎて困ることは全く無いと思いますが…)
どんなマイコンパッケージの話なのか?が分かりませんが、容量だけでなく実装位置がや配線のパスの考慮も重要だと考えます。TQFPパッケージやBGAパッケージなどでは見て取れますが、ピンはVccと対応するGNDがすぐ近傍にあります。マイコンのVccとGNDはパスコンを通して配線することが推奨されます。これは配線のLとR成分を減らすためなんですね。基板設計のアプリケーションがマイコンの品番によっては出てきるので見てみるといいと思います。そうするとピン間距離の都合、0.1uFのメトリックで0603パッケージがあり、ちょうどいいサイズになると思います。0603なら容量が1uFでもいいように思います。もちろん、マイコンデータシートなどの記載はコンデンサに供給する電源側(シリーズレギュレータやDCDC)からは内層ベタを通る想定です。️少ない層構成でなんとかしたいという場合で、ベタを使えない場合は途中で大きな容量のコンデンサを途中途中に配置する必要があるかもしれません。注意点として、容量が大きいタイプ、それらは高誘電率タイプで電圧や温度により実際の容量が大きく変化することには注意が必要です。あと部品コストが上がる可能性があることも念頭においた方がいいです。
チョコです。
問題は、周波数特性が考えられます。高誘電率タイプでは容量が大きいと周波数特性がよくないものもあるかと思います。
また電源電圧の立ち上がりや立下りに影響することが問題ないかの判断も必要です。
ESR(等価シリーズ抵抗)など容量以外のパラメータもあるので、安易な大容量化は問題があります。
以上
ryokkei と申します。チョコさんに少し補足する感じで。パスコンが電力を安定化させるために配置されること、できる限りピンの近くに配置することが必要であることはご存じだと思います。そのほかに、コンデンサには交流 (この場合はノイズ) に対する抵抗の性質があって、配線パターンの抵抗 (だいたい50Ωぐらい) よりも小さなインピーダンス (抵抗) で GND に接続することで直流には影響を与えずにノイズ成分だけを GND に落としてしまう役割があります。インピーダンスというのは周波数によって変化しますので、本当はノイズの性質に合わせた値のコンデンサをいくつか並べる必要があったりします。組み込みでよく使う MHz 帯域だと、だいたい 0.1uF がいい感じの値になるので、おまじないのように使われます。「パスコンの都市伝説」でググると、わかった気になれる説明が見られます。なので、マニュアルに「この値の○○を付けろ」とあるなら、まずそれに従うべきです。勝手に変更して不具合が出た場合、たとえそれが直接の原因じゃなくても、なぜ変えたんだと詰め寄られます(経験者)。当然ですが何も言い返せません(経験者)。安定の強化のためであるなら、大きめのコンデンサを「追加」することは悪くないと思います。電源の立ち上がりに影響があるはずなので、そこは注意する必要がありますが。
私も参戦この資料のESRの項目に説明がありますhttps://article.murata.com/ja-jp/article/impedance-esr-frequency-characteristics-in-capacitors
パッケージもLWが逆転しているタイプはさらに特性が良くなります。
yamamotoさん、チョコさん、ryokkeiさん、御回答ありがとうございました。
皆さんのアドバイスを参考にして、マニュアル通りに0.1uFをマイコンの側に付け、大きな容量のパスコン1uFは電源ICの出力ピンの側に付けることにしました。