RL78の民生用途と産業用途の違い

RL78の民生用途(型名分類:A)と産業用途(型名分類:D)の違いは何でしょうか?
価格は産業用途の方が高く設定されていますが、性能や信頼性などに差があるのでしょうか?

マニュアルによるとRL78/G13のIOL1にディレーティングと思われる差があるようですが、ユーザー側にメリットがあるわけではないですし...
  • スタッフのチョコです。

    skyblue22様のスレッドにコメントさせていただきます。


    RL78の民生用途(型名分類:A)と産業用途(型名分類:D)の違いは信頼性です。

    基本的には分類Aと分類Dで信頼性以外の差はなく,「IOH1」で産業用途の電流が制限されているのは信頼性を高めるためとお考えください。


  • チョコさん

    コメントありがとうございます。

    信頼性が違うとのことですが、
    製造工程\,検査工程に違いがあったり選別されたりしているのでしょうか?
    具体的な数値の基準を設けて分類されているものなのでしょうか?
  • スタッフのチョコです。

    skyblue22様の「Re:RL78の民生用途と産業用途の違い」にコメントさせていただきます。

    詳細な内容はお答えできませんが,検査工程や選別条件を含めた製造工程が異なるとお考えください。
  • ユーザーの立場での予想です。動作環境や特性の差はあるとして、

    信頼性と品質保証の差は良くわかってません。以下の書き込みでは混乱する可能性があります。ルネサスエレクトロニクスの信頼性ハンドブックに品質保証システム等が展開されてます。「民生用」と「産業用」はともに標準品レベルになりますが、詳細には差があると予想してます。

    ISO9000での品質はある時点で仕様を満たせる度合と定義されてます。基本的に、メーカが保証するのは仕様書に書かれた項目の初期特性です。半導体は全品全項目検査が常識的です。ICに限らずほとんどの製品が耐久環境信頼性を仕様書に含めません。しかし、ICの場合は付録のテストデータが付いてきます。このテストデータ量も品質レベルで差があるようです。

    データシートやハードウエアマニュアルも仕様書ではなく、初期のDC特性も全てが保証されるとは考えてません。何を省いて、あるいは、何を追加して、何を修正して保証するかが、品質レベルあるいはそれぞれの取引で差があると思われます。データシートやハードウエアマニュアルは設計用の参考情報と考えるのが良いです。

    全品全項目検査は微妙です。民生でも産業用でも、ウエハーで高温全項目検査→パッケージ→高温通電スクリーニング→一部項目の検査と思われます。スクリーニング条件やパッケージでの検査項目に品質レベルで差があると思われます。

    その他で気になる産業用と民生用の差はトレーサビリティです。民生の場合は、追跡不可能になることが当たり前と思ってます。

    一般論的にかけるのはこの程度です。経験的につかんだ内容なので、その正しさに関しては興味があります。誤りなどご指摘いただけるとありがたいです。
  • 標準品のスクリーニングはバーンインレスみたいですね。

    もちろんI/O部や内部ロジックの検査はほぼ100%実施してますけど、ストレス耐性は統計的に保証していますってことですね。


    品質保証としては、製造技術を上げて歩留まりを一定に保てる方が、全数検査するよりも信頼性は高いと思います。
    なぜなら、回路規模が大きくなると、どっちみち未検出配線が増えるので、統計的に不良率を抑えられる方が信頼性の面で有利ですから。

    「guaranteed by design, not production tested.」
    他の半導体メーカーでも「その条件で出荷検査していなけど設計ルールで保証しています。」って文々が一般的に記載さていますし。


    食料品の安全性も考え方は似ていて
    関税でサンプリングによる残留農薬検査をしている外国産の野菜と
    まったくの検査レスの国内産野菜のどっちが安全性が高いですか?
    っていう話の場合、
    たとえ検査が行われていないとしても国産の方が安全ですよね。
    (ある意味属人的ですけども)国産の場合は生産プロセスの透明化と高度な安全基準に基づいている(と信じている)ので、
    検査なんてしなくても一定の品質が保てていますから。


    PS
    海外メーカーではたまにありますけど
    QFPで1ピン位置が90度ずれていたり、レーザー捺印と中身(オプションやROM/RAMサイズ)が違っているものが納品されることがあります。
    いくら検査が完璧でも捺印ミスの時点で全てがアウトになりますから、トータルで高品質でないとダメなんです。

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  • 高温保存あるいは高温動作スクリーニングが省略されていると初期不良率はかなり高くなりそうです。民生でもMOSならばVthのシフトだけでも狙って高温保存はやってほしいですね。

    残念ながら多くの仕様書を見たことがありません。また、今その内容を確認することもできません。おそらく、私の知る仕様書には、全数検査しているとか、抜き取り検査している、設計保証しているなどの記述は無かったように記憶してます。全数検査は口答での情報です。「guaranteed by design\, not production tested.」などの記述には出会ったことが無く今後は注意してみようと思います。

    マイコンの場合は仕様書に機能を記述していないことが多いです。機能を書いてしまうと、マニュアルと同じボリュームになってしまいます。機能は設計が正しいと考えて、機能検査はぜずに、トランジスタが正しく動作しているのを確認しているはずです。しかし、どの程度のトランジスタをテストしているのかは仕様書には記述されてません。テスタビリティはしばしば質問しますが、ルネサスさんは95%あたりに閾値を置いているようです。残り5%を当てることも有り得ます。セットではじいて市場に出さないようにしなければなりません。セットで高い頻度で使用するトランジスタが未検査ならテストパターン追加のネゴですね。テスタビリティへの対応が品質クラスや民生用と産業用で変化するのかも気になるところです。

    仕様書には外観や出荷荷姿がほとんどの場合含まれていると思われます。捺印を、外観、トレー、トレーの空き、窒素封止、段ボール箱のラベルやその位置などです。おそらく画像処理や目視などによる全数検査と思われます。ここにも民生用と産業用の差があるんですかね?

    生産場所に依らず検査無しよりも検査有りの方が信用できます。検査の有無が不明確だったり、検査できない事も多いので取引先の信用度などで買う側が判断しなければ成りません。私の判断基準に日本製と海外製はありませんが、確かに海外半導体メーカよりもルネサス様の営業は信用できると私は思ってます。
  • 製造工程でウェハをベークしてるでしょうから、
    そのついで?に高温でのウェハテストは可能だと思います。
    逆にコスト削減のため低温をやらない方が理に適っていそうです。

    標準品のバーンインレスという表現も微妙ですけど
    ウェハ、パッケージ組み立て後のバーンインはしてないけど、
    ウェハレベルでのロジック検査は当然やっているんでしょうね。

    まぁ、ウェハなので好きな信号を好きなだけプロービングできるように内部テストパッドを作るのは簡単でしょうからロジックはバンダリスキャンなどですぐに終わると思います。
    フラッシュなどは物性的に消去書き込みに時間が掛かるので、このあたりのテスト内容がチップコストに響きそうですね。


    そうそう、バーンインするとスクリーニングできますけど、ストレスも掛かって寿命が短くなる気もします。でも、ある種の必要コストなんでしょうね。
  • スタッフのチョコさんも濁しているので、コミュニティー参加者にもルネサスさんにもメリットがあるように差し障りが無いように注意をはらって書き込んできました。これ以上は、控えたいと思います。

    要点は、

    1.電気的な仕様だけでなく、様々な差が品質レベルで存在する。
    2.テストとスクリーニングの例の紹介

    で、曖昧な点は多々あるとは思いますが、更なる展開には、個別に進めるのが良いと思われます。

    ところで、以前に秋葉原で耐久試験済みICを売っているのを見たことがあります。廃棄品の横流しと予想してます。店員いわく、「耐久試験済みなので安心です」。。。。。
  • 素人考えだと思いますが、
    実態がハッキリとしないのに
    値段が高い方を選べないと考えてしまいます。

    信頼性を判断できる数値を提示していただければ
    産業用を選定する根拠にできるのですが...

  • kijoさんの品質基準の詳細に関するご意見はごもっともですね。
    (私たち部外者が語っているので本当のような嘘の話もありますし)

    また、skyblue22さんの違いを数値で示せなければ産業用を選択できないという気持ちも分かります。


    一般論としての続きですけれども、
    大手半導体メーカーなら同様の品質基準を維持しているので
    大枠の品質の監視体制も似ていると思います。

    参考にマイクロチップの品質管理(統計的な数値基準)もみてみましょう。
    http://ww1.microchip.com/downloads/jp/DeviceDoc/00169F_JP.pdf 14ページ
    サンプル数と判定基準を見れば、統計的にどの品質水準をターゲットにしているかが見えくると思います。

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